Studio / Studio Yutaka

スタジオユタカ

Work
Work <作ってきたもの>

今まで作ってきたものの一部ですが、作る家具のスタイルを見てもらえると思います。

Profile
Profile <プロフィール>

遠回りをしているなと思うことも。それも貴重な経験ですね。今は仕事そのものが生き方となっています。

Shop
Shop <製品の紹介>

生活小物を作るのも好きで家具製作の合間にちょこっと作ります。毎日使っていただけたら嬉しいです。

Links
Links <リンク集>

多くの友人と家族に支えられ制作活動を続けています。彼らの紹介も兼ねてリンク集を作りました。



Studio <工房での仕事>

主な仕事は個人の方からの注文で家具をデザイン、設計、制作するものです。また、展示会に際して作品を作ることもあります。もちろんWork Around Tableと小さい椅子も同時に進行していますのでその試作や製品の製作もここで行います。

工房は埼玉のときがわ町にあります。窓からは小さな日本の風景が見える静かな所です。仕事はモノ作りにとっては生き方そのもの。ですから工房は仕事場であり、生活の場でもあります。ここで考え、作り、そして休息します。



家具の作り方

家具、あるいは生活の道具を作るとき、その作り方には色々な選択肢があると思います。「早く安く」というのは合理的な考え方で今ある一般の量産品はそのように作られます。一方で昔ながらの作り方というのもあり、そこでも「早く」というのは厳しく言われますが、「安く」は「無駄のないように」というニュアンスになるかもしれません。職人は「早く無駄なく」作ることを求められます。さらに工芸品では手間を惜しまない作り方が大事ですから「早く無駄なく」という考えは基本にあっても長い時間をかけて作ります。

上質なものというのは長く使えます。たぶん使う人が大事にするのでしょうし、そういう気持ちにさせてもらえるというのもあるでしょう。長く使えればなんでもいいというつもりはないけれど長く使うと愛着も湧き、道具と自分の間に何かが生まれるのは確かなこと。気持ちのいい関係だし、この感覚は大事にしたいなと思う。なかでも家具は特に長持ち。30年40年はごく普通で100年くらい昔の物もよく見かける。これだけ長く使ってもらえる道具だとしたら自分はどう作るべきなのか?どのような選択肢を選ぶのか?やっぱり考えておかないと・・

う~ん、僕の答えは「丁寧に作る」かな。

自分の場合は「早く無駄なく」は意識しているけれど、実際は「ゆっくり無駄いっぱい」をしているかもしれない。職人とも工芸作家とも違う作り方だから自分なりの考え方で作ることになる。「ゆっくり無駄いっぱい」はよく考え、確かめながら作っている結果で、自然とそうなってしまう。デザインを起こすときは必ず模型をいくつか作るし、図面も相当数描く、それから必要なときは実寸のモックアップ(簡易試作品)を作る。時間のかかることばかりだけれどひとつずつ確かめながら進める方が良いと思っています。

デザインはとても大事だと思います。木の家具で一番大事なことは木の道具としての良さをちゃんと意識すること。それは材料に対する考え方、扱い方から始まることで「木」を使えばそれでいいとは思いません。量産される家具は量を作るために材料含め細部にまできちっと気を配れないのは仕方がないけれど、工房では木取りの工程にも時間をかけています。木取りとは完成した形を想像しながら材料取りをすることで実は仕上がりを一番左右します。量産品にはその役割があるから十分な作りでいいと思いますが、別の選択肢もないと寂しいですよね。色々な物に出会って、しっかりした物を使い始めると家具も質感や素材感のあるものが使いたいと思う日が来ますから。

加えてオリジナリティということ・・オリジナル=風変わりな物を作るということはでなく、敢えて言葉にすれば「きらめき」が出ればオリジナルなのだと思っています。他者の作った物に影響を受けるのは当然のことですが、それを自分の中に取り込んでから再提出する気持ち、そして影響をうけたデザインに対して敬意を込めてそれを超えようと思う気持ち、真摯にこの2つがあるとき「きらめき」は生まれると思います。先人の残してくれたものを超えることはなかなかできませんが、気構えはなくしたくないと思っています。結果どうなったかではなく、その気構えがあるかどうか。それは問われていると思います。気持ちが作った物をキラッと見せる・・そうなんだと信じていたいです。

もうひとつ、僕はカンナを使います。仕事で使う人はすっかり減ってしまったようです。でも、この道具にはちゃんとした合理性とこれでしかできないことがあります。もっと大事なことは、手間のかかる道具だけれど実は教わることがいっぱいあります。それはたぶん付き合う時間が長いから、材料も少しずつしか変化しないからよく考える時間を与えてくれるのだと思います。無垢の材料と付き合うのならとても大事な道具だと思っています。料理人が切れのいい包丁を使うのと同じことかもしれません。

こんなペースでいいのかしら? と思うこともあるけれど、これでしか作れないものがあるのを知っているので別の道を選ぶのは難しい。これからも丁寧に作っていきたいです。

■2010年2月よりアメーバブログ内でブログを始めました。
ホームページには書いてないモノ作りのこと、考えていることを言葉にしていこうと思います。是非ご覧ください。

ブログ「かぐかんがえる。」
http://ameblo.jp/yutakagu/

座卓、模型、図面

工房、カンナがけ