Work Around Table / Studio Yutaka


ダイニングテーブルのことをあらためて考え直してみました。


ノリト・テーブル

ノリト・テーブル

Work Around Table

友人の生活用品デザイナー・大治将典と一緒に家具を作り、提案するプロジェクトです。広島から出て来た彼と出会い、いつか仕事もしようと思っていましたが、やっと機が熟し、このテーブル中心プロジェクトを始めることができました。俗にコラボレーションという言葉がありますが、やっていてそれを感じます。テーブルのデザインも二人であれこれ考えて模型やモックアップを何度も作り直し1年かけて仕上げました。

スタジオユタカの家具は僕個人の考えと美意識から生まれますからとても濃いものができます。意識してそうしているわけではありませんが、自然にそうなってしまいます。でも、この濃さは良し悪しだと思っています。たとえば山菜のようなもので、おいしいけれどちょっと苦い、つまりアクがあります。色々な物を食べてくるとやっぱりおいしいなと思う味ですが、慣れないと食べにくい。家具の選択肢として考えたとき、もうちょっと食べやすいものがあった方がいいと長く思っていました。その方が無垢の家具の良さをもう少し広く知ってもらえるのではないかと思うのです。

Work Around Tableは二人で考えていますから個の濃さは薄まり、作品性というアクの強さはなくなりました。ただ、一般の量産品のようにしてしまうのではなく質感と素材感があることが大切だと考えています。また、作り方も大事だと思っています。Work Around Tableの作る家具は、いえば作品とプロダクトの中間にあるものかもしれません。

ダイニングテーブルのことをあらためて考え直し、僕たちが使っているテーブルの役割ってなんだろうと思いました。食事の道具というのが基本でも、家の中心にあって家族が集い、こどもたちはそこで画を描き、宿題をして、大人はくつろいだり、パソコンを開いたりする場所です。作業台として使う人もいますし、ダイニングテーブルを仕事机にする人もいます。そう思ったらもう少し機能するダイニングテーブルにしたいと思いました。結果、「棚付きのダイニングテーブル」が生まれました。単純ですが、ありそうでなかったダイニングテーブルです。ちょっとした工夫ですが、日本の住まい方には合ったテーブルではないでしょうか?

詳しくはWork Around Tableのサイトをご覧ください。
http://wat-table.com

ノリト・テーブル、ステンレス脚

ノリト・テーブル、ティッシュ箱